・初心者用じゃなくて上級者向けの新しい楽器が欲しい
・少し調子が悪くなってきたからそろそろ買い替えを検討したい
数年サックスの演奏を続けていると、さまざまな理由で買い替えを検討し始めますよね。
ここでは、新しい楽器に買い替えようか検討中の方へ、それぞれの悩みをお持ちの方へ、どうするのが最適かをご提案します。
脱初心者!サックスを買い替えよう
サックスは初心者用からプロ仕様のものまで幅広く、安いものなら30,000円程度、高いものだと2,000,000円以上するようなものまであります。
始めたころはまず初心者用に安いサックスを買ったけど、色々拭けるようになってきて、ちょっといいサックスを買いたい!という人もいるはず。
まずは初心者用~上級者用まで、どんなサックスがあるのか見てみましょう。
初心者用サックスからの買い替え
吹奏楽で始めた方、ジャズやポップスのミュージシャンに憧れてサックスを始めた方、きっとたくさんいますよね。
初心者向けのサックスは比較的リーズナブルなものもたくさん。
とりあえずやってみたい、演奏会やライブで演奏できるくらいまでやってみたい、という人たちで、まずは初心者用のサックスを購入した人も多いのではないでしょうか。
初心者向けのサックスといえばアルトサックスですね。
アルトサックスは、他のテナーサックスやバリトンサックスなどと比べて、音を出すときの肺活量が少なく済む、比較的安い金額で販売されているものが多いといった点から、初心者に向いています。
初心者用のアルトサックスといえば、以下のようなものがあります。
メーカー・型番 | 販売価格 | |
アルトサックス | YAMAHA YAS-280 | 100,000~150,000円 |
アルトサックス | YAMAHA YAS-380 | 150,000~200,000円 |
アルトサックス | YAMAHA YAS-480 | 150,000~200,000円 |
アルトサックス | SELVA SAS-100GL SET | 32,000円 |
また、吹奏楽で始める場合は各パートが必要になるため、テナーサックスやソプラノサックスを持っている人もいるでしょう。
中には、難易度の高いバリトンサックスに憧れて、自分で購入してみたという方もいるかもしれません。
テナーサックス、ソプラノサックス、バリトンサックスで初心者向けとしてよく選ばれるのは以下のようなサックスです。
メーカー・型番 | 販売価格 | |
テナーサックス | J.Michael TN-900 | 75,000~80,000円 |
テナーサックス | YAMAHA YTS-380 | 130,000~150,000円 |
ソプラノサックス | Kaerntner KSP-65 | 70,000~80,000円 |
ソプラノサックス | J.Michael SP-650 | 50,000~60,000円 |
バリトンサックス | J.Michael BAR-2500 | 250,000~280,000円 |
もちろんこれらのサックスでも、人前で演奏するのは十分問題ないレベルです。
でも、「もっとこだわりたい!「せっかく舞台に立てるようになったからもっと良いサックスにしたい!」と思う方も多いですよね。
初心者を卒業したら、中級者~上級者向けのサックスへの買い替えもぜひ検討してみましょう。
そもそも「どこまでが初心者なの?」と疑問に思う方もいますよね。
これは人によって考え方は違いますが、「演奏したい音を出せるようになったら初心者卒業」といわれています。
ピアノやギターと違い、管楽器の難しいところは、息の入れ方などの微妙な変化によって出音が大きく変わってしまう点。
サックスはキーが付いており、基本的には所定のキーを押しながら吹けば、その音に近い音が出ます。
しかし、タンギング(舌を使った技法)によっても出音は違いますし、アンブシュア(口の形)が崩れれば音程も変わってしまいます。
もちろん息の吹込み具合も出音への影響は大きいです。
「演奏したい音を出せるようになる」こと自体がとても難しいのがサックス。
本当の意味で自分の思う音を自由に出せるようになるには、5年、10年掛かるとも言われています。
でもだからこそ、奥が深くて面白さがありますよね。
もちろん、初心者だから中級者や上級者向けのサックスを買ってはいけないことはありません。
むしろ、自分の理想的なサックスを買うことで、より楽器への愛着が沸いて楽器の上達も早くなるはず。
少しずつでも好きな音を出せるようになってきたら、初心者用に購入したサックスから、ぜひ自分の好きなサックスに変えてみましょう。
中級者~上級者用サックスからの買い替え
中級者~上級者用と言われているサックスには以下のような種類があります。
メーカー・型番 | 販売価格 | |
アルトサックス | YAMAHA YAS-62 | 250,000~320,000円 |
アルトサックス | YAMAHA YAS-82Z | 280,000~320,000円 |
アルトサックス | YAMAHA YAS-875 | 400,000~530,000円 |
アルトサックス | YANAGISAWA A-WO2 | 280,000~330,000円 |
アルトサックス | YANAGISAWA A-WO20 | 450,000~520,000円 |
アルトサックス | H.Selmer SA80Ⅱ Jubilee AS | 500,000~600,000円 |
テナーサックス | YAMAHA YTS-875EX | 350,000~500,000円 |
テナーサックス | YAMAHA YTS-62 | 300,000~350,000円 |
テナーサックス | YANAGISAWA T-WO2 | 300,000~350,000円 |
ソプラノサックス | YAMAHA YSS-875EXHG | 350,000~400,000円 |
ここで紹介したのは、ほんの一部です。
サックスの種類はアルトサックス、テナーサックス、ソプラノサックス、バリトンサックスが主要の4種類ですが、その他にも、ソプラニッシモ、ソプラニーノ、バス、コントラバスなど、細かく分けると10種類上にも上り、さらにその各種類に数十~数百種類ものモデルがあります。
好きなサックスの選び方は人それぞれ。
まずはどんな種類があるのかをチェックし、可能であれば店舗で試奏して、自分の理想となるサックスを見つけましょう。
サックスの音が出ない!修理と買い替えどちらが良い?
いつも通りサックスを吹いたら、音がうまく出ない、いつもと違う音がする、といったことはありませんか?
湿度や気温の変化、傷、凹み、老朽化によるカビやサビなど、サックスのサウンドに大きな影響を及ぼす原因はたくさんあります。
故障かな?と気になったら、まずは原因を探ってみましょう。
買い替え前のチェックポイント:マウスピースやリードなどのパーツが原因
サックス本体が原因のケースも多いですが、修理に出す前に、まずはマウスピースとリードなど、部品からチェックしてみましょう。
リードのチェック
リードの設置の仕方はかなりシビアで、ちょっとしたズレがや間違いで音が出なくなることもあります。
・湿らせていない
リードが乾燥したままだとうまく音が出ないことがあります。
セットする前に、舐めて湿らせましょう。
・リードが欠けている
リードが欠けている場合も、音が出にくい、ノイズが入るなどの原因になります。
欠けていた場合は新しいリードへの交換が必要です。
・マウスピースとの相性
リードとマウスピースとの相性が悪くて音が出なくなることも。
リードがマウスピースのティップを塞ぎ、息が正常に入らなくなってしまうケースがあるのです。
新しいリードへ交換した際に音が出なくなったら、こうした原因も疑ってみましょう。
・位置がズレている
リードをセットするときは、マウスピースの頭部分が1mm弱程度見えるくらいがベストです。
マウスピースの頭よりも出てしまったり、逆に下過ぎたりすると音がうまく鳴りません。
マウスピースのチェック
マウスピースの抜き差しによって、音程に差が出てきます。
マウスピースを抜くと音程が下がり、逆に入れると上がります。
いつもより音程が高い、あるいは低いなと感じたときは、マウスピースのセットの仕方がいつもと同じか確認してみてください。
キィのチェック
サックスの部品は一つひとつがとても繊細で、とくにキィはちょっとした衝撃で変形したり位置がずれたりしてしまうことがあります。
コルクやフェルトが取れてしまった場合は、ボンドで接着すればOKです。
また、演奏をしているうちにどんどんネジが緩んでしまうのですが、これは締め直せばOKです。
ただし締めすぎNGのネジもあるので要注意。
リペアに慣れていない方は、自分でやるよりプロの方に修理を依頼した方が安全です。
キィが変形していたりガタついたりしている場合は、自分で直すのは難しいので修理に出す必要がなります。
キィの変形は、お手入れ時やケースからの出し入れ時など、ちょっとしたことで起きやすいので、普段から扱いには十分注意しましょう。
その他
他にも以下のような原因が考えられます。
・タンポが劣化している
タンポは水分がついたまま放置したり、使わずにそのまま置いておいたりすると、どんどん劣化していきます。
全部交換となると、修理代も相当額です。
・ネックスクリューがきちんと締まっていない
ネックを締めるネジであるネックスクリューが緩んでいると、音漏れしてしまいます。
音がうまく出なかったらネックスクリューがきちんと締まっているか確認しましょう。
・クローズキィでトーンホールにタンポが張り付いている
水分を取り除き忘れると、トーンホールに張り付いてキィが上がらなくなってしまいます。
買い替え前の修理に出す方法・費用
ここまで紹介したように、自分で直せない場合には修理に出す必要があります。修理を依頼する方法、実際にかかる費用相場をご紹介しましょう。
サックスを修理に出す方法
修理に出す場合、購入した楽器店に持っていくのがベストです。
ただし、購入した店舗が遠い場合や、中古で買った場合などは、他の楽器店に持っていってみましょう。
お店によっては他店で購入した楽器でも修理対応してくれます。
修理したい楽器を店頭に差し出し、故障内容を説明すれば、お店で原因を探るところから対応してくれます。
なお、購入した際に付いていた保証書は、保証期間が過ぎていたとしても持っていくのが良いです。
万が一紛失してしまった場合は、その旨お店へ伝えてください。
サックス修理の費用
実際に修理を依頼する場合、値段はどれくらいになるのでしょうか?
サックス修理の費用相場は以下のとおりです。
全体調整・バランス調整 | 6,000~20,000円 |
部分調整 | 800円~(内容による) |
タンポ交換 | 1,500~2,000円/個 |
タンポ全交換 | 60,000~70,000円 |
キィの動作不良調整 | 1,000~4,000円 |
キィの開き調整 | 部分/1000円、全体/5,000~10,000円 |
ネックジョイント調整 | 1,000~3,000円 |
スプリング交換 | 2,000~4,000円 |
凹み・曲がりの調整 | 2,000円~(内容による) |
バネ交換 | 1,000~1,500円/個 |
コルク交換 | 1,500~2,000円 |
フェルトの交換 | 500~1,000円/個 |
オーバーホール(※) | 60,000~120,000円 |
※オーバーホール:サックスの部品をすべて外し、タンポやバネといった部品類を新調して組み直すこと
買い替えも検討しよう
サックスの音が鳴らない原因や、修理費用などを紹介しました。
ネジの緩みのようなちょっとした不具合なら自分で調整することも可能ですし、部分調整や部品を一部交換する程度なら、修理を依頼しても数千円で済みます。
しかし相場表でも取り上げたように、タンポをすべて交換しなければならないほど傷みがひどい場合だと、60,000円以上もの費用が掛かってしまいます。
部品をすべて取り換えるオーバーホールだと、なんと100,000円程度掛かることも。
もちろん、ヴィンテージサックスや、500,000円くらいするような高価なサックスであれば、修理した方が良いかもしれません。
しかし、初心者用で購入したサックスであれば、新しいサックスに買い替えてしまうのもひとつ。
古いサックスを買取に出して新しいサックス購入の足しにすれば、費用を抑えて新品のサックスを手に入れることもできます。
これからずっとサックスを続けていきたいという方は、故障をきっかけに買い替えを検討してみてはいかがでしょうか?
古いサックスは買い替えより楽器屋さんへ買取依頼
サックスを買い替える事情は人それぞれですが、いずれにせよ楽器店に買取の依頼をするのがおすすめです。
買い替えよりおトクな買取依頼のメリット
買い替えの際に買取依頼をするメリットは以下のとおりです。
処分だとお金が掛かる
新しいサックスを購入するにあたり、古いサックスは処分しようと考えていた方もいるかもしれません。
しかし処分はおすすめしません。
サックスの処分をする場合、粗大ごみとして出すか、不用品回収業者に依頼するかの2点の方法があります。
粗大ごみは自治体ごとに細かなルールがあり、その決まりに沿って処分しなければなりません。
事前に申し込みも必要ですし、費用も高いと1,000円程度かかってしまいます。
不用品業者に依頼する場合、業者にお任せなので簡単ではありますが、どんなに安くても1,000円以上のお金はかかります。
店舗によっては、値段がつかなくてもそのまま引き取ってもらえるケースがあるので、処分するなら買取に出すのが断然おすすめです。
買い替えより高額で買取
当然ながら、新しいサックスを買うときにもお金がかかるもの。
古いサックスを買取に出せば、そのお金を新しいサックスを買うときの購入費用に充てられます。
初心者用の安いサックスであっても、10,000~30,000円程度の金額がつく可能性は十分あります。
サックスの下取りは店舗が限定される
買取ではなく下取りに出すという手もあるでしょう。
お店によっては、買い替えの条件で少し高めに下取りをしてくれるお店もあります。
ただし、下取りのデメリットは、購入できる店舗が限られてしまう点です。
他のお店に欲しい楽器があったとしても、その店舗の中で選ばなければなりません。
欲しいサックスがたまたまそのお店にあれば良いですが、じっくりと好きなサックスを選びたい方は、買取に出す方が最善です。
買い替え・買取の際は慎重なお店選びを
いざ買い替えをするとなっても、どこのお店を選べば良いのか迷ってしまいますよね。
お店選びにで大切なのは、以下の3つです。
・簡単にできる
・すぐに現金を受け取れる
・実績が豊富で信頼できる
実績の多い店舗なら、高額買取も期待もできます。
おすすめの楽器買取店をチェックしてみましょう。
→サックス買取をするならどこ?おすすめの楽器買取店を比較する
買い替えるなら早めに依頼を!
サックスで買い替えをする際に多いのが、「もしかしたら古い方もまだ使うかもしれないから…」と一度家に放置してしまうことです。
もちろん、いくつかバンドを持っており、そのバンドによって使う楽器を変えたい、といった場合であれば複数台持っておくのはアリです。
しかし、ビギナー用から上位機種に乗り換える場合や、音の出が悪くなり買い替える場合などは、ほぼ確実に古いサックスを使う機会はなくなるでしょう。
これを、「なんとなくもったいないから…」という理由で家に置きっぱなしにすると、どんどん劣化して買取価格の低下にもつながります。
サックスはとても繊細な楽器です。
急激な温度・湿度の変化によって、キィのバランス崩れを起こしたり、音がうまく出なくなったり、あるいは部品のひび割れ、サビができたりといったことも。
また、タンポも傷みやすく、全交換が必要なほど劣化がひどくなると、買取価格も数万円程下がる可能性も十分あります。
だから、「思い出のサックスだから…」と物置にしまったままにするのはNG!
それよりも、早めに買取に出してあげて、別の誰かのもとに届いた方が、サックスにとっても幸せなはず。
大切なサックスだからこそ、使わなくなったら少しでも早く買取に出してあげるのがおすすめなんですよ。